所長ご挨拶

 私たちは、相談にいらっしゃる一人一人のニーズによりよくお応えするためのサービスを常に模索してまいりました。
 開設当初より、うつや不安などを体験して困っている方のお役に立てるよう、認知行動療法やストレスマネジメントなどを活用しながら、皆様と一緒に取り組んでまいりました。
 欧米では、強烈な不安や怒りなどで苦しみ生きづらさを感じているような方のために、パーソナリティ障害、発達障害、薬物依存などに、その効果が報告されている弁証法的行動療法(DBT)を取り入れ、DBTに基づいた感情調節のためのスキル訓練グループや個人療法も実施しています。
 さらに最近、アメリカで発展してきているトラウマインフォームドアプローチ(TIA)が日本でも知られ始めています。21世紀になってトラウマの研究の進歩が加速して、トラウマの影響を受けている人がとても多いことやその影響を乗り越える工夫についての理解も進んできています。このような先端的な知識やノウハウは、来談される方一人一人のニーズに合った形で共有されることで役に立つものだと思っています。
 困難を経験している方のご家族が相談に来てくださることも少なくありません。家族などの身近な人たちとの関係がご本人の回復に大きな影響を持つことから家族支援にも力を入れてきました。家族カウンセリングやカップルカウンセリングに加えてDBTに基づく家族スキルアップグループも実践しています。家族スキルアップグループでは、感情調節困難な方のDBTのスキルを身に着けるサポートをご家族がする場合のより効果的な関わり方を学ぶことができます。
また、サービスの質の向上に意識のあるメンタルヘルスの専門家を対象にした研修会や勉強会も行っています。さらに、人間関係の影響を重視し、1980年代後半からは職場のメンタルヘルスの改善にも関わっております。法人向けのストレスチェックやメンタルヘルス研究を実施してきました。ストレスチェックのフォローアップ面接やセルフケア研修、管理職向けのメンタルヘルス増進の研修、ハラスメント対策研修などを通じて、職場の生産性向上にも寄与するメンタルヘルスの向上やハラスメントの予防支援に努めてきました。
 このように、皆様のニーズにお応えするための活動を通じて、私たちのサービスを利用してくださった個人、家族、職場の関係者の皆様との経験は、私たちの支援者としての成長につながっています。これらの経験を基に、より多くの方々のメンタルヘルスの予防、支援、そして再発防止までを含む幅広く総合的なサービスを提供するために、引き続き努力してまいります。今後も、より多くの方のお役に立てるよう研鑽を続け、相談にいらっしゃる方のニーズにお応えしたいと考えております。

長谷川メンタルヘルス研究所
所長 遊佐 安一郎

研究所概要

法人名一般社団法人 長谷川メンタルヘルス研究所
{英語表記} Hasegawa Mental Health Institute
代表理事遊佐 安一郎
法人設立日2010年2月26日
所在地〒150-0034
東京都渋谷区代官山町17番1
代官山アドレス ザ・タワー クリニックフロア305

沿革

1988年医療法人社団碧水会 長谷川精神医療教育研究所を東京都目黒区東山に開設。
遊佐安一郎、内田江里を中心に企業組織におけるメンタルヘルスの研究開発を行なう。
2004年長谷川精神医療教育研究所 ポジティブメンタルヘルスを新設
代表内田江里を中心に企業のためのメンタルヘルスの土壌つくりと支援サービスの実践を開始する。
同時に東京都渋谷区代官山町17番1に代官山カウンセリングルームを開設する。
2010年 2月多角的なサービスを充実させるため、医療法人社団碧水会から独立。
一般社団法人 長谷川メンタルヘルス研究所を東京都目黒区東山に設立。
遊佐安一郎が代表理事に就任する。
2010年 8月感情調節困難な方へのスキルアップグループを始める。
2011年 1月サービスを充実させるため、事務所を東京都渋谷区代官山町17番に移転。
感情調節困難な方の家族の支援のための家族スキルアップグループを始める。
2011年 9月専門家のための感情調節困難ネットワークを始める。
2018年トラウマインフォームドアプローチの取り組みを始める。

出版物

書籍名著者・訳・監訳書出版社
弁証法的行動療法 実践トレーニングブック遊佐 安一郎星和書店
家族療法入門遊佐 安一郎星和書店
境界性人格障害=BPD 実践ワークブック遊佐 安一郎星和書店
ここは私の居場所じゃない遊佐 安一郎星和書店
認知療法入門遊佐 安一郎星和書店
わかれからの再出発遊佐 安一郎星和書店
あなたの中のパソコンストレス内田 江里オウム社
逆説心理療法内田 江里星和書店
虐待を経験した家族が癒される家 シダーハウス内田 江里星和書店

連携機関